池田首相の下咽頭癌は誰が見ても末期がんの状態でとても治癒は望めませんでしたた。しかしリニアックとベータトロンによる放射線治療により、一時は原発部位の腫瘍もリンパ節転移も消失しました。しかし6ケ月後には局所に再発し、1年後に切除手術の直後に死亡されました。剖検記録には放射線治療はremarkably effective であったが治癒には至らなかったと記録されています。 実をいうと、ほとんど同じ時期に池田氏とそっくりの症状の症例がおられました、国立がんセンター外来で池田首相とほとんど同じ治療をしたところ、原発部位も転移も治癒して5年以上生存されました。この方は禅僧のように淡々とした人でありました。その無欲さが運命を分けたのかも知れません。このお二人のことは私に今もなお強い印象を残しています。
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