PETの解像力が悪いから小さい転移リンパ節は検出できないのではないかという批判があります。しかし癌の発育が急速な場合には、かなり小さなリンパ節転移でも検出できるのではないかと私は考えています。肺癌の放射線治療の場合、縦隔への放射線照射は患者に大きな負担を与えるので、転移が確認できない症例には、縦隔部に安易に照射すべきではないと私は考えています。スライドは肺癌の縦隔リンパ節転移が疑われ、手術標本の検索の結果、true positive であった症例と true negative であった症例のCT像とPET像を示しています。CTでは確診できませんが、PETでは確診できています。外科手術であっても放射線治療であっても将来は術前診断としてPETは必須の診断手段になることでしょう。
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