放射線治療の未来-これは海老原会長からの要望であります。80歳の私が未来について語るのにふさわしいかどうか分りません。しかし過去があるから未来があるのです。目標がはっきりしていれば、何時かは実現すると私は考えています。私が40年前に考えた未来は、放射線治療に関してはほぼ実現しています。スライドで未来は明るいと書いたのは、現在から近未来の人々の癌治療に対する要望に応えられる段階まで到達したと考えているからです。 しかし人間社会の未来について語るのは難しいことです。目先の目標が実現してもその先にはもっと困難な未来が現れるからです。癌治療が進歩しても癌で死亡する人は必ずしも減らない。文明社会は次々と新しいタイプの癌を作り出すように思われます。癌治療が又次の癌を作り出す条件にならぬように慎重な配慮が必要でしょう。
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