原点と未来-それは語る人によって違うでしょう。私は80歳を越える老人ですし、もう20年以上も癌の臨床から離れています。そのような人間が教育講演で原点はともかくとして、未来について皆さんにお話しするのは気がひけます。しかし敢えてお引き受けしたのは、近い将来に学会のあり方が大きく変わると思うからです。学会は今までは医師や研究者だけで運営されてきましたが、これからは社会全体特に病に悩む人々にオープンの形で運営されねばなりません。私は現在は医師というよりは、むしろ高齢者の一人として患者の側に立って癌医療を見つめています。そして放射線治療の未来に大きな期待を抱いています。
(1/91)