[超音波データの三次元表示法]
超音波データを三次元表示する一般的な方法は次のような段階を踏む。

  1. 三次元エコーデータの収集:断層面を三次元的に移動しながらエコーデータを収集する(データはVTRなどのようなアナログ信号で記録しても良い)。
  2. アナログ信号の前処理:アナログ信号はデジタル信号に変換し音響ノイズを除去するため平滑化のための前処理を行う。
  3. リサンプル:上記のデータ集合からROI(関心領域)を設定し、その領域を立方体の集合としてリサンプルする。
  4. 三次元再構成処理:ROI内のデータを元に三次元画像を構築する。

これらのデータ処理は高速のCPUを用いて行うが数分の時間を要する。そこでアルゴリズムに工夫を凝らし、高速で三次元画像を得ることのできるボリュームレンダリングを元にした方法を考案した。
1996年に製品化したシステムは図(超音波ビームとレンダリングの位置関係)に示すように凸面曲率60mmのコンベックスアレイ振動子が駆動モータと位置検出のエンコーダにより60度の角度を機械的に走査できるように構成されている。したがってすべての超音波ビームに沿った直線は振動子の後方で一転に交わっており、レンダリングの面から見るとこの一点に視点を置いた中心投影像が構成される。

□イメージ2
メカニカルセクタースキャナ ASU-1000B-3.5 三次元画像構築用

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